P(パートナー)は今回、旅準備に活躍した。定年後契約社員として勤務していたスポーツ紙でゴルフ担当をしていたが、今年になって退職。九州に一人で住む90歳の義母と暮らしつつ準備をしてくれた。私が昨年W杯チケットをとった日を皮切りに、苦手なPCと格闘し続けた。以下、Pに旅の準備について尋ねてみた。
――最初に着手したのは?
最初に取ったのは航空チケットですね。2019年に息子が留学していたドイツへ行くため、4年前に使ったエアトリを再度使いました。すでに娘がオランダのデン・ハーグに住む予定だったため、発着はオランダのアムステルダムに定め、昨年末ごろから検討を始めました。
――チケット選びのポイントは?
ANAやJAL便など日本の航空会社の直行便は50万円以上します。格安で、移動時間がなるべく少ない会社を探り、トルコ航空、シンガポール航空の2社に絞しました。検討を始めて3ヶ月でしょうか。今年2月の終わりに34万円(2人分)で購入しました。シンガポール・チャンギ空港での乗り継ぎ時間も入れて、行きが27時間、帰りが23時間くらいの行程です。
――実際乗ってみてどうでしたか?
席はそんなに広くはありませんが、機内食やスタッフの対応は上々でした。アムステルダムに定刻より早い7時前に到着。時差ぼけもほとんどなくて快適な旅でした。なお、チケット購入の際は、キャンセルした場合の保険にも入りました。コロナに感染したらどうするかといった課題もあるし、それぞれの母親2人は健在ではあるものの、高齢です。何か起きたら速やかに諦める、対応する、という気持ちでやろうと2人で話しました。
――――ホテルは?
ドイツ旅行でもお世話になったbooking comを利用しました。まずラグビーW杯開催地のホテルを抑えることから開始。ここは日程変更が少ないのと、早くとらなければ埋まってしまいますから。ただ、そこでも万が一を考えキャンセル無料のものを選択しました。これは、出発が近くなって、より安く、いいホテルが見つかった時に無料で変更できる利点もあります。口コミやホテルの場所など、次の移動を考え、駅や空港との距離なども考えながら選びました。
――他の条件は?
アパート以外はほとんど朝食付きを選択しました。長期の滞在だと、朝食のパンなどを多少いただくことで、ランチの足しにもなるからお得です。欧州のホテルは朝食が美味しいところが多く、野菜やチーズ、ハムなどは日本で食べるより美味しい、もちろんパンも。特に僕はフランスに出張で行ったとき、フランスで食べるフランスパンはなんでこんなに美味しいのか?と感動していたので。
――フランスはよく出張で?
1986年、新人のときに行った大相撲パリ興業が最初ですね。モータースポーツの取材も担当していたのでルマンにもよく行きました。ルマンはいわゆる地方なので、シャルルドゴール空港でレンタカーを借りて運転しました。だから左ハンドルも握れるんです。
――今回モンペリエで運転しましたね
モンペリエの宿は、準備段階の序盤はすべてレンタカーでまわる、みたいな計画が一瞬あったんです。それでハイウエイから近いところを予約し、欧州鉄道のフリーパスを使うことになったのに、変更を失念しました。モンペリエのホテルは本当に不便で。それでレンタカーを借りたんです。妻も「海を見たい」と言うので。
かなり久しぶりだったので、最初は逆走しないか心配でしたが、いつも少ししたら慣れます。妻が「左ハンドルで運転してるパパ、かっこいい」と騒ぐのには閉口しました。周りの人たちはみんな左ハンドルじゃないですか。難しかったのはカーナビですね。取材のときはとなりでカメラマンが地図で教えてくれましたが、今回はカーナビを見ながら運転するのはちょっと厄介でしたね。それと、マニュアルのほうが€20くらい安かったけれど、オートマチックにしました。若干屈辱的でしたが、30年ブランクがあるのでマニュアルはもう運転できないなと割り切りました。
――欧州鉄道のフリーパスを使いました
妻が20代でバックパッカーで欧州を回ったとき、使ったと聞いて。彼女が使った30数年前はカードで予約もその都度駅の窓口でやったらしいですが、今はすべてスマホアプリでやります。妻と僕のパスをそれぞれのスマホで獲得するまでは良かったのですが、2人分の新幹線や特急などの予約をどう取ればいいのかがわからない。検索しても、ここ最近コロナ禍で日本人がパスを使って旅行していないので、情報がないわけです。探しまくったあげく、パソコンで予約する方法を妻が見つけてきて。それで解決しました。予約は全部プリントアウトしました。スマホに不具合が発生したら大変なので。W杯のチケットなども全部印字しました。
電車は今日は遅れましたが、そのほかは予定通りに今のところ来ています。旅に出る前、日本が大雨で新幹線に数時間閉じ込められた白人女性がテレビんのインタビューでこう言いました。
「こういうアクシデントは仕方がないこと。これも旅の一部なのよ」
何があっても受け入れる。我慢ではなく、受け入れる。そういう体験ができるのも貴重だと思っています。
(了)
もってるのは「きゅうり」TwitterならぬX、とか、Xジャパン!とかいうのかと思ったら「二刀流だ。大谷サンだ!」と叫んだ。謎。