オシムの遺産 彼らに授けたもうひとつの言葉
| 竹書房
2003年から2007年という短い時間ながら、日本サッカーの発展に多大な影響を与えたイビチャ・オシム(享年80)。ジェフユナイテッド市原・千葉をJリーグで優勝争いができるクラブにまで押し上げ、最後の2年弱は日本代表監督として過去に類を見ない躍動的なサッカーを見せてくれた。そんなオシムから人知れず「もうひとつの言葉」を授かった人たちがいた。育成、普及、指導、教育、リーダーシップ研究、スポーツ医療…様々な分野でオシムのフィロソフィーを受け継ぐ11人の男たちの情熱と葛藤。その姿を通して、あらためてオシムの魅力が浮かび上がる。 彼の遺産を日本サッカーの未来にどう活かしていくか。サッカーファミリーにとって多くの示唆を与える一冊。
スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか
| 文藝春秋
子どもは親の虚栄心の道具なのか? わが子のスポーツでの活躍に興奮し熱中する親たち。子どもに過度に干渉し自主練習を強いたり、勝つためなら指導者の暴力・パワハラ・セクハラにも目をつぶる。実態を伝えるとともに、子どものスポーツにのめり込む日本の親たちの背景を考察。そのうえで、どうすれば子どもを潰さず成長させられるかを言及したスポーツ親必読の書。
世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス
| カンゼン
本書は「主体性の処方箋」 である。世界に手をかけるアスリートたちを貫く一本の串。それは「主体性」だった。「自分から考える、動く」というマインドセットを、伊藤美誠、早田ひな選手といったトップアスリートは持ち合わせている。 彼女たちが書くノートは主体性の萌芽。そして、国際舞台に選手を送り出す指導者の視点も、同様だ。日本ゴルフの育成に大きな成長戦略を与えたガレス・ジョーンズ氏、ラグビーの育成を担う中竹竜二氏、日本の女子バスケットをリードしている恩塚亨氏など。本書に登場する全員 が、根性論で追い込む旧来の手法とは180度異なる指導法で成功している。
部活があぶない
| 講談社現代新書
子どもたちの自主性や人間力を育てる場として、学校教育で重要性を増す部活動。それなのに顧問の不適切指導による「ブラック部活」が社会問題に。その一方で、部活指導に時間を取られ過ぎる教師たちも悲鳴を上げている。最初に「ブラック部活」と名付け、警鐘を鳴らした著者が、その実態を徹底取材するとともに、子どもが本当に成長できる部活指導のあり方も提示。保護者や学校関係者はもちろん、部活の思い出を熱く語る大人にも読んでほしい。
桜宮高校体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた
| 朝日新聞出版
日本のスポーツ、教育界が、暴力根絶宣言をするきっかけになった大阪桜宮高校バスケットボール部員自死事件。亡くなった2012年12月23日から記者発表の1月8日まで、一体何が起きていたのか。当初会見以外は取材に応じなかった両親、学校など関係者の話からたどり着いた自殺までの経緯、死ぬことに決めた本当の理由が明かされる。
王者の食ノート ~ スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦
| 小学館
帝京大学ラグビー部、東洋大学駅伝チームという大学王者2校を支えたスポーツ栄養士を追ったノンフィクション。体重を増やさなくてはならないラグビー選手と、ウエイトコントロールを強いられるランナーという対極にあるはずの栄養メソッドを同時に使い分け、山の神・柏原竜二ら学生の心をつかんだカリスマのサポート術とは。